発行日:2022年8月1日
定価:1,000円(税込)
● 特集「ライブコマース、ギフト化 仕掛けるマーケティング戦略のすべて」
● 商品特集
● 特集「SDGsとギフト」
● 特集「Eコマース時代の顧客満足」
● 特集「メンズコスメ」
今月のテーマは“仕掛ける”。
ライブコマースとは、SNSなどでライブ配信をしながら視聴者と配信者がコミュニケーションすることができる、新しい対面型のツール。その配信の中で、購買や来店の促進を行う。
テレビショッピングをネット上で行うようなものだが、“放送中”に、画面上の演者と視聴者が双方向でやり取りをすることができ、あたかも接客のような、より密接なやり取りをすることができることが特徴だ。
ライブ放送のスケジュールをウェブサイトやFacebook、Twitter、InstagramといったSNSで告知、もしくは配信に出演するインフルエンサーやタレントさんが自身のSNSで告知したりすることで、企業にとってみれば、新しい顧客層を獲得するチャンスにもなる。また、自社の販売員が“出演”することも多く、その親しみ易さがファン作りに効果的であり、リアル店舗との相乗効果を生むことも多い。
店や商品の魅力を、アナログ的にアピールすることにおいて格好のツールであるにも関わらず、運営面では普及したデジタル技術を使うことによって、昔では考えられなかったほどの低コストで、かつ物販の拡販やイメージの拡散にも効果的な販売方法となっている。
このライブコマースについて様々な立ち場から携わっている企業の事例を集めた。大手ITシステム会社のBIPROGY、オンラインとオフラインのハイブリットのライブコマースを展開するPinPon、15万のユーザーを抱えYouTubeからオリジナルキャラクター、専門店を生み出した有隣堂。
「ギフト」ということでは、発足当初より、「ギフト化」というコンセプトで従来のギフト製品の開発よりも更に一歩進んだ販売戦略を提唱するギフト研究所や、ギフト戦略に力を入れているラッシュ。セレクトショップの品揃えにSNSの活用やギフトをうまくからめたビューティースタンドプラスの事例を紹介したい。
企業の業務内容、規模によって具体的な方策は様々であるが、新たなマーケティング戦略においては“仕掛ける”ことが絶対に不可欠である。
年末年始は、一年の中でも様々なギフトが動くチャンスである。中でも干支関連、カレンダーやダイアリー、縁起物などの需要は、この時期に集中する傾向がある。
今月の特集ではこうした「干支・縁起物・カレンダー・ダイアリー」といった、特に年末年始に人気を集めるBtoB商品にスポットを当て、最新事情をそれぞれ紹介する。
SDGs(持続的な開発目標)についての関心はますます高まっている。特に若い世代を中心に、エコやエシカル、サステナブルへの意識は飛躍的に高まっている。
大切な人に贈る「ギフト」にはとりわけ、SDGsへの意識、また人や地域、環境への配慮が求められると言えるだろう。
人や地域や環境に、あるいはSDGsに配慮して作られたモノやそうした取り組みの中で生まれたモノは「ギフト」として好適品と言えるかもしれない。またSDGsへの取り組み自体が、例えば地域や生産者や消費者にとって福音をもたらす「ギフト」となるケースもある。
本企画では、そうした商品や取り組みを行う企業・ブランドの事例とSDGsに配慮した商品を紹介する。
メンズコスメに対する意識が当事者と第三者を含めて変わり始めている。
トレンダーズ株式会社のが運営するSoft Drinkが2022年1月24日から25日に行ったオンライン調査(15-59歳 男性2,000名)によると、メンズメイクの実施率は全体で14.6%。10代で22.5%、20代で24.0%にとどまった。一方で「メンズメイクは世間に受け入れられている」と感じる人の割合は10代での54.3%、20代での46.8%を筆頭に、全体で44.4%という結果が見受けられた。
この2つの調査結果をまとめると、メンズメイクの実施率に比べて、「受け入れられている」と感じる人の割合は多いという結果になった。このことから、特に若い世代を中心にこれから新たにメンズメイクを始める潜在的な消費者がいることがわかる。
逆に、女性側の視点に立つと、株式会社ネクストレベルが運営する縁結び大学が20代から50代の326人を対象にしたアンケートでは、74.5%の女性がメンズメイクに対して肯定的であると回答した。
流行の発信地であるアメリカに目を向けると、世界第3位のグローバル・マーケティング・リサーチ会社であるIpsos(イプソス)がアメリカの男性(異性愛者 18-65歳)に行った調査によると、回答者の15%は現在メンズコスメとメイクアップを利用していると答えた。さらに、17%の参加者は今後の使用を検討していると回答し、メンズコスメのマーケットは今後2倍の売り上げを潜在的に秘めていると予測することができる。
隣国の韓国からも日々最新メンズコスメが進出しているだけではなく、国内の化粧ブランドもメンズコスメに参入しており、これからの日本でメンズコスメ・メイクアップがさらに過熱するのは時間の問題と言える。