発行日:2025年8月1日
定価:1,100円(税込)
● 第100回ギフト・ショー記念特集第2弾 ギフト流通の現在地
● ギフトショップルポ近畿編
● キダルト消費の盛り上がりで変化する小売店舗
● プチギフトで感謝を伝える
● ペットビジネスの潮流
● 農林水産省 SAVOR JAPAN取材
・ギフト流通の現在地 PART1
いよいよ2025年9月3日(水)、4日(木)、5日(金)に第100回東京インターナショナル・ギフト・ショー秋2025が東京ビッグサイトにおいて開催される。
今回は、前号に続き開催記念特集第2弾を展開。「新時代の旗手・続編」として、近年、ヒット商品が相次ぎ、また表彰も相次ぐサンスター文具の吉松社長を取材した。
また、ギフトショップルポでは、近畿地方3県、滋賀県・奈良県・和歌山県のギフトショップを徹底取材。メーカー、そして小売の深掘りからギフト流通業界の現在地とこれからを追求した。
・ギフト流通の現在地 PART2
地域ルポ 近畿地方(東部三県) ギフトを主軸に地域の魅力を発信する、ギフトショップの新たな価値創造
近畿地方は本州中西部に位置し、京都府・大阪府の二府を擁する大都市圏を持つ地域である。難波宮・平城宮・平安宮など、古代より日本の都が置かれた土地であり、現在では政令指定都市である京都市・大阪市・神戸市を中心とする「京阪神大都市圏」を形成している。
大都市圏を複数含む広大な面積を持つ近畿地方を一度の取材ですべて紹介することは難しいため、今回は滋賀県、奈良県、和歌山県の東部三県に絞って紹介する。なお、近畿地方の範囲には様々な分類があるが、東海地方のギフトショップを紹介する際に三重県を含めていたため、本稿では三重県を除外している。
滋賀県は日本最大の湖である琵琶湖を有し、豊かな水資源に恵まれている。近江商人に代表される「商人の国」としての歴史を持ち、京都・大阪へのアクセスにも優れている。
奈良県は日本最古の都を擁し、東大寺や法隆寺など世界遺産が集まる歴史文化の街である。吉野杉を利用した木材製品など製造業も盛んであり、近年は歴史と暮らしが融合する住環境にも注目が集まっている。
和歌山県は紀伊半島南部に位置し、海・山・温泉に恵まれた自然豊かな県である。高野山や熊野古道など古くからの信仰の地を抱え、ミカンや梅干しなど特産物も多い。また白浜温泉や那智の滝など観光資源も豊富である。
こうした特徴を持つ三県のギフトショップは、どのような商売を営んでいるのだろうか。個性豊かな五軒のギフトショップを取材した。
小誌では2024年12月号の「キダルト×トイ」を皮切りに、25年5月号で「キダルト×ぬいぐるみ」、6月号で「キダルト×雑貨」、7月号で「キダルト×文具」と特集を展開し、キダルトと関係の深い業界におけるキダルト消費の影響を、主にメーカー側に取材することで追ってきた。
改めて「キダルト」について整理しておく。Kid(子ども)とAdult(大人)の合成語で「子ども心をもった大人」と表現されることが多い。従来子どものものと思われていたもの、代表的なものでは玩具やゲーム、ファンシー雑貨、キャラクターグッズなどを大人になってからも好む人のことを指す。これまでの特集では、キダルト層が増えており、彼らの消費行動によって様々なトレンドが生まれていることを見てきた。たまごっち(1996年発売)やモンチッチ(1974年発売)のリバイバルヒットや「平成女児」の心をつかんだボンボンドロップシールの大ヒットなどは分かりやすい例だろう。
キダルトという新たな消費者層の存在は小売業の現場にも変化をもたらしている。本特集では、小売業界におけるキダルトを取り込むための新業態店や、店舗運営の新たな取り組みについて取材した。
「プチギフト」とは、フランス語で「小さな贈り物」という意味で、狭義には結婚式や二次会、出産祝いなど、お祝い事の際にゲストに贈る、ささやかなプレゼントのことを指す。
現在、IP、キャラクタービジネスのトップ企業とされる(株)サンリオは、1960年、「みんなが仲良く助け合って幸せに生きていってもらいたい」という願いを込めた「Small Gift Big Smile!」を合言葉に、小さなかわいいギフトを贈り合うソーシャルコミュニケーションビジネスの会社として誕生した。
手土産をはじめとするプチギフト、スモールギフトは、このサンリオのキャッチフレーズのように、「小さな行為で大きな効果を発揮するギフト」のことだ。
今月号では、ラッピング資材ではなく、ギフトそのものを提案する(株)包むの「ATELIER tsutsumu」、プチギフトをテーマに、顧客と雑貨製品の橋渡し役に徹する(株)ヘミングスの「CONCIERGE」(コンシェルジュ)、ギフト需要にフォーカスしたフェイラーの魅力を若年層に伝える「LOVERARY BY FEILER(ラブラリー バイ フェイラー)を開発したフェイラージャパン(株)、良いものだけをセットにして「お手土産品」を高級感のあるギフトボックスで提供する(株)マルキの「コンビネーションギフト」、デジタルギフトのクーポン「プチギフト」で、コンビニを中心とした様々な業種のクライアントをつかむ(株)エムディーピー、100年を越す歴史に培われたアセットを活用しギフト提案を図る(株)富澤商店の事例より、プチギフトを活用したマーケティング活動の最新事例を紹介する。
コンパニオンアニマルという言葉をご存じだろうか。伴侶動物という意味を持ち、人間と動物が、飼い主とペットではなく「家族や友人」として、共に暮らしていくという概念のことをいう。
コンパニオンアニマル化に伴い「かわいい服を着せたい」「人間の食事に近い栄養のあるものを与えたい」というニーズが高まっている。また飼育環境の向上によりペット(犬・猫)の寿命は伸び、ペットの健康に気を使う飼い主が増えている。そういった背景から、ペットメーカー各社はニーズに応えるために様々な商品やサービスを展開している。
今回は犬具、ペットトイ、ペットフード等を扱うペットメーカー3社の取材を通じて、ペット市場の現状と各社の今後の取り組みを追求する。
「倫理的な」という意味を持つ“エシカル(Ethical)”。近年では「自分にとって得かどうか」だけでなく、人や環境、社会にとって優しい選択をすることがより豊かなライフスタイルとして注目されている。
コロナ禍を経て、SDGs(持続可能な開発目標)への関心が高まり、次の世代へ繋げていく取り組みが広がっている。
ギフト流通業界でも、環境に配慮した素材やフェアトレード、地産地消・地域とのつながりを感じる商品など「エシカル」であることが選ばれる大きなポイントになっている。(株)ビジネスガイド社が主催する見本市においても、そうした商品・サービスが注目を集めている。
本連載では、エシカルな視点を取り入れた商品やサービス、企業の取り組みを紹介していく。